ロジカルシンキングは、一見複雑で難しい話のように思われがちですが、実はそうではありません。どちらかといえば、複雑に感じる問題をシンプルに因果関係が見えるようにしてくれるのがロジカルシンキングです。
今回は、難しそうに感じることもある『裏の論理』の使い方を解説していきます。
『裏の論理』と『命題』の関係
「AならばBである」という命題に対する『裏の論理』は、AとBともに否定形にする「AでなければBではない」となります。これは命題が真の場合、『裏の論理』は偽となります。
シンプルな話ですが、ちゃんと理解していれば、問題解決に役立ちます。
高校の数学で習ったと思いますが、当時は「これは何の役に立つのだろう」と考えていた方も多いのではないでしょうか。今回はこの裏の論理を知って、正しい判断をするという話の紹介です。
【簡単な例文】裏の論理
『裏の論理』とは、命題『Aならば、Bである』のAとB、両方否定形にしたもので、『Aでないなら、Bではない』となります。これが成り立たないことを理解するために、実際にAとBに簡単な言葉を入れた例を見てみましょう。
(命題) オムレツは、卵料理である。
(裏の論理) オムレツでないなら、卵料理ではない。
(命題) 野球は、球技である。
(裏の論理) 野球でないのなら、球技ではない。
(命題) 牛は、哺乳類である。
(裏の論理) 牛でなければ、哺乳類ではない。
※これら全て命題は真(○)、裏の論理は偽(✕)となります。
裏の論理は、なぜ”偽”(成立しない)なのか
命題が真(○)のときは、なぜ『裏の論理』が偽(✕)なのでしょうか。命題を裏の論理にすると、成り立たないのは、例外が出てくるからです。卵料理はオムレツ以外にも沢山あり、野球以外の球技も、牛以外の哺乳類も数え切れないくらいあります。これは、規模がAよりBの方が大きく、AはBに含まれているからなのです。
命題が”真”なら、裏の論理は”偽”
ここまでご覧になった方は、もうおわかりだと思いますが、冒頭で触れたダイエットについて解説します。
裏の論理の使い方
シンプルな問題であっても、人は判断を間違えることがあります。問題を解決したいのに、問題点に合わせた打ち手を打っていない。これらを防ぐためには、論理展開の齟齬に気づくチェック方法が必要なのです。そのひとつが『裏の論理』にはめてみるということです。
問題解決のツールとして使ってみる
実生活で問題解決をしようとする時に、”それっぽい”けど有効な解決策にならない施策を立ててしまうことは、世の中に溢れています。冒頭の、ダイエットの原因を短絡的に絞ってしまうこともそうかも知れません。また、社会で見れば、感染症の流行を抑えるための国の施策や、大手企業の経営改善の施策も『裏の論理』に当てはめて考えれば、より効果的な問題解決が見えるようになるかもしれません。
【まとめ】 裏の論理で落とし穴を回避する
『裏の論理』は、問題解決の施策を考える時などに有効です。問題点に対する解決策がずれているために、うまくいかない(問題が解決しない)状況に陥っていることが、よくあるのではないでしょうか。そういった時にこの論理のチェックができるなら、効果が少ないことを見抜き、的確な解決策を考えることが出来るようになります。
問題点をシンプルな命題にして、AとBに当てはめて考えてみて下さい。
例外が多く発生するようなAとなっている場合、その他の要因の検討が必要かもしれません。
例えで出した、ダイエットに対する間食のように、間食以外の要因が多くある場合、効果が限定的になります。間食を取らない事より有効な手を打つことが、成功への近道かもしれないという考え方です。
その他の論理について
今回紹介した『裏の論理』だけでなく、論理を立てる際に気をつけなければならないことが、いくつかあります。『逆の論理』『対偶の論理』です。これらについては別の記事にまとめましたので、こちらからご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。